HACCPの基本は、HA危害分析です。「危害」とは、「心配なこと」です。予め心配なことを思い起こして、現実になるのを防ぐというのがHACCPです。
飲食店で生肉や鳥刺しを提供する店舗があります。とんでもない驚きです、心配事いっぱいです。多くの人は危険性を聞いたことはあるでしょう。しかし。本当にリスクを正確に理解していない人もいるでしょう。「新鮮なら大丈夫、表面だけ危ないんでしょ?」今まで当たったことがない。こうした“経験則”で安全だと思い込んでいるケースですね。特にカンピロバクターは少量でも感染し、鶏が無症状保菌していることを知らない人は意外と多い。
知っているが、気にしていないひともかなり多いでしょう。確率的に低いと思っている、「交通事故と同じ」「当たる人は運が悪い」、自分は大丈夫という正常性バイアス、若さ・健康への過信、人は「見えない危険」より「今の快楽」を優先しがちです。通(ツウ)っぽさ・特別感、これ、結構大きい要因でしょう。本当の肉好きは生で食べる、鮮度のわかる店でしか食べられない、通しか知らない食べ方、リスクを取る行為そのものが価値になる心理ですね。フグの肝や生牡蠣と似た構造です。
「当たる人は弱い」という誤解、危険なのがこの考え方。胃腸が弱い人だけなる、子どもや高齢者だけ危ない、実際は、健康な成人でも重症化しますし、カンピロバクター後のギラン・バレー症候群のような「数週間後に出る重大な後遺症」はあまり知られていません。
なかでも鶏肉は、生食リスクが突出して高いのか!
結論から言うと、鶏は危険な菌を“持ったまま元気に生きている動物”だからです。カンピロバクターは鶏にとって無害。鶏の腸管内に高率(50〜80%以上)で常在。鶏は下痢もしないし病気にもならない。完全に共生状態。
旭川食品産業支援センター 石原亜季
【メルマガ:第534号(2026年2月2日発行)より】
2026.02.02
